司法書士・土地家屋調査士 坂口卓郎事務所

相続放棄の期限

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相続放棄の期限

相続放棄の期限

2022/05/12

相続放棄をするには、家庭裁判所に申述する必要がありますが(民法938条)、この申述をすべき期間として熟慮期間というものがあります。この熟慮期間は原則として、自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内とされています(民法915条1項本文)。
もっとも、この熟慮期間たる3ヶ月は、利害関係人又は検察官の請求によって、家庭裁判所が伸長することができるとされています(民法915条1項ただし書)。

前述のように、相続放棄をするには、熟慮期間内に家庭裁判所に相続放棄をする旨を申述する必要があり、もし、熟慮期間内に相続放棄や限定承認をしなかった場合には、単純承認したものとみなされます(民法921条2号)。

熟慮期間が定められている趣旨は、相続財産の内容を調査し、相続放棄や、相続によって得た財産の限度においてのみ被相続人の債務及び遺贈を弁済すべきことを留保して、相続の承認をすることをいう限定承認(民法922条)と呼ばれるものをするか、それとも、単純承認と呼ばれるものをすることで、無限に被相続人の権利義務を承継することを認める(民法920条)かを判断するための時間的余裕を相続人に与える点にあるとされています。

このような趣旨から、熟慮期間の起算点については、原則として、相続開始の原因たる事実及びこれにより自己が法律上相続人となった事実を知った時と解するべきだが、これらの事実を知った時でも、これらの事実を知った時から3ヶ月以内に相続放棄をしなかったのが、被相続人に相続財産が全く存在しないと信じたためであり、かつ、被相続人の生活歴などの諸般の状況からみて当該相続人に対し相続財産の有無の調査を期待することが著しく困難な事情があり、相続人においてそのように信ずるについて相当な理由があると認められるときには、例外的に相続人が相続財産の全部または一部の存在を認識した時又は通常これを認識すべき時と解するのが相当であるとした判例があります(最判昭59年4月27日民集38巻6号698頁)。

また、相続人が承認または放棄をしないで死亡したときは、熟慮期間は、その者の相続人が自己のために相続の開始があったことを知った時から起算するとされています(民法916条)。相続人が未成年者又は成年被後見人であるときには、その法定代理人が未成年者又は成年被後見人のために相続の開始があったことを知った時から起算するとされています(民法917条)。

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